『ダンジョンだらけの異世界に転生したけど僕の恩恵が最難関ダンジョンだった件』 ダンジョンコアでスキル&施設育成ゲーム

アイキャッチ水晶
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ぎゅっと要約

  • 異世界転生した主人公のチートスキルでダンジョンコアの能力を吸収し、スキル&アイテム&施設の全要素で無双するお話
  • 俺TUEEEの無双展開が好きな人、コツコツとスキルや施設をレベルアップさせていくのが好きな人におすすめ
  • 連載中、133話終了時点でおおよそ小説2冊弱のボリューム

ダンマスが無双するのではなく、ダンジョンコアで最強になる

まるせい(ベルナノレフ)さんが「カクヨム」、「小説家になろう」、「アルファポリス」にて連載中の作品です。「カクヨム」で一番先行して投稿されているようですね。今年の元日に連載が開始され、半年弱にして既に133話、更新頻度が高いことも魅力の作品です。

作者のまるせい先生は、第4回カクヨムWeb小説コンテストでSF部門大賞異世界部門特別賞を受賞されており、『13番目の転移者、異世界で神を目指すスキル【アイテム増殖】を手に入れた僕は最強装備片手に異世界を満喫する』、『ある日から使えるようになった転移魔法が万能で生きるのが楽しくなりました』の2作品はすでに小説として出版されています。本作は期待の最新作ですね!

ジャンルは自分が大好きなダンジョンものです。タイトルを一見しただけでは「最難関ダンジョンのダンマスとなって無双する」的な使い古されたテンプレに見えますが、実のところは「ダンジョンコアでスキルや施設を成長できるチート能力を得て、ダンジョンコアを乱獲して無双する」という新機軸のストーリーに仕上がっています。ダンジョン攻略というよりも、様々なコアを収集することでスキルや施設が育っていくことを楽しむ育成ゲーム的な趣ですね。ただし、タイトルの「僕の恩恵が最難関ダンジョン」という部分の意味は133話時点ではまだはっきりしておらず、今後さらなる展開が待ち構えているものと思われます。

出版実績がある腕前で書かれる文章はとても読みやすく、ダンジョン好き、無双好き、育成好きと幅広い層におすすめできる作品です

オススメ度とおすすめしたい人

おすすめ度(133話時点)

★★★★(星4つ、おすすめ!)

★5つで満点。かぴばーの個人的好みに基づいたスコアです。

おすすめしたい人

変化球のダンジョンものが読んでみたい人、全てを圧倒する無双展開の好きな人、コツコツ育成ゲームにはまったことのある人、更新頻度の高い作品を日々楽しみにしたい人

あらすじ

トラックにひかれて気が付くと、少年エリクとして異世界に転生していた。この世界では15歳になると恩恵が与えられるが、エリクが得たのは空間を作り出す能力。アイテムボックスが汎用スキルとして存在するこの世界では一見するとはずれの恩恵であった。

そんなエリクだが、幼馴染の仲間たちと訓練用のダンジョンに向かった際に誤って高難易度のダンジョンに転移してしまう。凶悪なモンスターが徘徊する中、自らが恩恵で作り出した空間に隠れてやりすごすことで、なんとかダンジョンの最奥からダンジョンコアを持って生還することに成功する。

生還を喜ぶ仲間たちに囲まれて興奮さめやらぬ中、エリクは空間の中から「マスター」と呼びかける声に気づく。声の主はここ「ザ・ワールド」と呼ばれる空間の管理者であり、ダンジョンコアの力を吸収することができるらしい。エリクは声の主を「イブ」と名付け、世界に散らばるダンジョンコアを集める冒険へ出発する。自らと「ザ・ワールド」の飽くなき成長を目指して。

主な登場人物

  • エリク
    「ザ・ワールド」の恩恵を得て、珍しいダンジョンコアを求めて冒険の旅にでる。イブが取り込んだダンジョンコアに対応したスキルを得られる上、コアで成長する「ザ・ワールド」内の様々な施設を利用できることから、その能力は完全にチート級。丸太を小脇にかかえ伝説の魔物をも圧倒する。
  • イブ
    ザ・ワールドの管理者。実体を持たないが、エリクの好みぴったりの姿形を投影している。ダンジョンコアに目が無く、コアの存在する付近のダンジョンを見つけ出す能力を持つ。ザ・ワールド内の施設の発展はめざましく、他人には見せられない秘密だらけ。

ダンジョンはおまけでダンジョンコアが主役です

ネット小説でダンジョンものといえば、主人公がダンジョンマスターとなって最強のダンジョンを作り上げるお話が定番です。ダンジョン内で敵を倒して得られるダンジョンポイント的なものでダンジョンを拡張していくのが一般的なパターンで、それをいかにシステムの裏をかいて面白く効率よく進めていくかが作者さんの腕の見せ所になります。

本作もタイトルをみた時点では「拡張が難しいけど尖った成長ができるダンジョンが当たったんだろうな」程度に考えていたのですが、予想を超える変化球でした。少なくとも133話時点では、主人公エリクはザ・ワールドの主人ではあるものの、いわゆるダンジョンマスターとしては描かれていません。

ストーリーのメインは、ザ・ワールドを成長させるために様々な珍しいダンジョンコアを集めることです。すでに無双レベルのエリクからすると余裕のダンジョン攻略やボス戦は付け合わせ程度の扱いで、手に入れたダンジョンコアの分析や能力確認のほうに多くの紙面が割かれています。

どんどん強力なコアを集めて、最強に向けて一直線といったところですね。

施設育成ゲームとしての魅力

エリクの恩恵ザ・ワールドの能力はダンジョンコアの能力を吸収することですが、その効果は「スキル取得」、「ステータス補助」、「施設作成」の3つに分けられます。

「スキル取得」は分かりやすく、魔法や耐性といったスキルをエリクが習得する効果です。高難易度ダンジョンのコアほど習得できる魔法のレベルも高くなるとのことから、物語序盤は各属性のダンジョンを巡ることになります。

続いて「ステータス補助」は、コアを消費してエリクのステータスを一時的に補助する効果であり、強敵が出てきた時のブーストとして活躍します。

そして、最後の「施設作成」が本作の肝となります。「ザ・ワールド」の内部に様々な施設を建造する効果であり、序盤に入手したコアからは「神殿」と「畑」がつくられました。これらの施設は使い込むことでレベルアップし、別のコアと組み合わせることで施設が進化することもあります。

バックヤード施設の建造や成長については、昨今のソシャゲやネトゲでは良く見かけるシステムで、人によってはまどろっこしいと感じるかもしれませんが、自分は大好物です。ゆっくりと確実に成長・拡充されていって、少しずつ新しいことができるようになったり、新しいアイテムが手に入ったりする仕組みがたまらないんですよね。

さてさて、作中ではエリクが試験中にぽちぽち「畑」を育てたりしていますが、これはまさに授業中にソシャゲのスタミナを消費している感が満載です。ダンジョンコアを次々と効率的に収集していく様と言い、ゲームライクな空気が見え隠れするところも本作の特徴だと思います。

タイトルの「最難関ダンジョン」とは一体

前項を書いていてはたと気づきましたが、施設の拡充やレベルアップは一般的なダンジョンものでも定番ですよね。通常はダンジョンポイント的なものを使うところをダンジョンコアを使用している点は違いますが、根本的にはおんなじような…

やはり「ザ・ワールド」にはまだまだ色々と謎が隠されていそうです。

本作は概ね隔日のペースで投稿され続けている点も大きな魅力です。まだ完結までは様々な展開が待ち受けていそうですが、「続きが全然投稿されなくて辛い」なんて状況にはならないと思いますので、いつ読み始めても大丈夫だと思いますよ。

今後「ザ・ワールド」がどのように進化していくのか、心から楽しみにしています!

戦闘パートでの無双、施設パートでの育成と1粒で2度楽しめる作品です。ダンジョンファンでは無い方もぜひ一度お試しあれ!

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