『ゲーム世界転生〈ダン活〉~戦闘訓練なんかしていられるか、俺はレベルを上げるぞ!~』 ダンジョンとは皆で楽しむものと見つけたり(ニシキギ・カエデ)

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ニシキギ・カエデさんの作品、『ゲーム世界転生〈ダン活〉~戦闘訓練なんかしていられるか、俺はレベルを上げるぞ!~』 をレビューします。

作品の概要とおすすめポイントはこちら!

  • やり込み尽くしたゲームの世界に転生した主人公が、その溢れ出る知識をフル活用してダンジョン攻略を満喫するお話
  • 独自のゲーム世界が確立されているのがよい。主人公単独で無双するのではなく、多数の個性的な仲間たちを育てて一緒に攻略を進めていく点も魅力。何よりも、登場キャラも作者さんも楽しそう

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ダンジョンを幸せそうに満喫する様子に惹かれる

ニシキギ・カエデさんが「カクヨム」、「小説家になろう」で掲載されている小説です。21年1月の投稿開始から、1日2投稿の脅威のペースで掲載が進められ、4月末には既に約250話、67万字の超大作となっています。カクヨムではランキング上位に常駐の上、★数も5桁に届くなど人気のほどがうかがわれます。

主人公ゼフィルスは廃プレイをしていたオンラインゲーム「ダンジョン就活のススメ」、通称「ダン活」の世界へ転生します。廃プレイヤーの知識をフル活用して嬉々として攻略をはじめますが、どうやらこの世界の住人たちは希望ジョブに就くことも難しいほど知識が足りない様子。ゼフィルスはダンジョン攻略を楽しむべく、パーティーメンバーを集めて育成していきます。

「ダンジョンを楽しむ」が中心に据えられた作品です。転生先で楽しそうに攻略を進めるゼフィルスの様子はもちろんですが、作者さんの筆の走りっぷりも楽しそうで、読んでいるこちらも楽しい気持ちになってきます。展開が常に明るくポジティブであり、元気がもらえるのも良いところ。

また、本作の前提となる「ダン活」のゲーム設定についてもしっかりと作り込まれている点も見逃せません。様々なジョブが力を合わせないと高レベルのダンジョンは踏破が難しい設計となっているため、主人公の俺TUEEEのみで終わらずに個性豊かな仲間たちに見せ場をつくらせることに成功していることも、本作のおすすめポイントです。

ストーリーは67万字に至って、ようやく中級ダンジョンに取り掛かったところです。まだ見ぬ仲間たちとの出会いや上級ダンジョン群の攻略と、末永く楽しめる作品となりそうです!

  • 投稿サイト:「カクヨム」、「小説家になろう」
  • 21年1月投稿開始、連載中
  • 21年4月末時点にて約67万字、小説およそ5冊分のボリューム

おすすめ度

254話時点(2021年4月末)

★★★★(星4つ、オススメ!)

★5つで満点。かぴばーの個人的好みに基づいたスコアです。

あらすじ

ゲーム〈ダン活〉を実に8000時間以上プレイしていた灰なゲーマーだった主人公は、ある日〈ダン活〉のセーブデータが吹っ飛んで消えてしまい、ヤバい顔してぶっ倒れ、そのままショック死してしまう。

しかし、気がついたら画面上でしか見た事が無かった〈ダン活〉の世界、〈名も無き始まりの村〉に突っ立っていた。

「カクヨム」本作ページより引用

多くのキャラクターと作り込まれたゲーム世界

「ダン活」の一番の特色は選択可能なジョブの数、その数なんと1021職です。

主人公のゼフィルスの「勇者」をはじめ、「聖女」や「錬金術師」といった正統派に加え、執事職の「バトラー」、獣人専用職の「スターキャット」といった変化球、さらには色物ネタ職業枠の「筋肉戦士」などなど、多種多様な職業が揃っています。

ダンジョンの攻略を進めるためには、戦闘職はもちろん、サポート職や製造職についても多くの優秀な職持ちを揃える必要があるとのことで、ゼフィルスのギルドには個性豊かなキャラクターたちが次々とスカウトされてきます。登場キャラが多くなってもそれぞれにしっかりとした活躍の場があるので、お気に入りのキャラの活躍を見守るのも乙ですね。もちろん、それだけの数のキャラをしっかりと描き分けられている作者さんの筆力が素晴らしいことは間違いありません。

ジョブ以外に関しても、アイテム作成アイテムのスキル化ギルドランクシステムなどなど、よい意味でのゲームらしさが感じられる設定が目白押しとなっています。

みんなで一緒にゲーム世界を楽しもう!

この物語は作者さんが楽しく描き出した世界を、登場キャラクターたちと一緒に読者も満喫するお話だと思っています。

一番顕著なのは、ボスの宝箱ドロップ時のパーティーの様子でしょう。ボス討伐時には最高ランクの「金箱」の出現を期待し、稀に発生する宝箱ダブル出現で大喜びし、誰が宝箱を開けるかでひと悶着し、さらに開封時には幸運アップアイテムの「幸猫様」に祈りを捧げ… そしてレアアイテムを引いたときには皆で大喜び!

思わず自分が昔やっていたMMORPGを思い出してしまいました。やっぱりボスドロップはダンジョン攻略の華、パーティーで力を合わせてドロップ率1%のレアアイテムを引いた瞬間の喜びは半端ないですよね。

その他にも、職業ごとの最適なスキル構成を考えたり、ギルドランクを上げて施設を拡張したりと、ゲームの「楽しさ」が分かっている仕掛けがたっぷりです!

 

自分のイチ押しは錬金術師のハンナ。アイテム性能に頼ってゴリ押しで高位ダンジョンに挑んでいく、生産職らしからぬアンバランスな雰囲気が大好きです。

読んでいて明るく楽しい気持ちになれる作品です!

  

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