『町家暮らしとエルフさん -リノベしたら庭にダンジョンができました-』 エルフさんの京都滞在記~イタリアンがダンジョンに出会った(一菜|みみたぶ)

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一菜|みみたぶさんの作品、『町家暮らしとエルフさん -リノベしたら庭にダンジョンができました-』 をレビューします。かぴばーのイチ押し作品です!

作品の概要とおすすめポイントはこちら!

  • 主人公がバルに改装中だった町家がダンジョンに繋がってしまい、そこから現れた異世界エルフ少女とダンジョン攻略しつつ美味しい料理も満喫するお話
  • 異世界のダンジョン知識や魔法、現代日本の知識や料理を通して少しずつ交流を深めてゆく、ゆったりと流れる時間がとても気持ちいい作品。作者さんの深い知識に基づく料理の数々は本当に美味しそう!

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日本×ダンジョンで、人間×エルフが、料理×魔法の異世界交流

一菜|みみたぶさんが「小説家になろう」、「カクヨム」で掲載中の作品です。

20年10月に連載スタートしたばかりの新しい作品ですが、週あたり5話投稿のペースでの投稿を続けられており、21年2月時点ですでに約37万字と読みごたえたっぷりの作品です!

主人公の将平はイタリアンをはじめとした南欧料理のシェフ。自分の店を持つことを決意し、京都の町屋をレストランへと改装していたところ裏庭に突如として大穴が空き、そこからエルフの少女ミミルが出てきます。

ミミルの魔法による片言での意思疎通で分かったことは、ミミルは異世界の住人であり、穴はダンジョンとのこと。元の世界に戻れなくなってしまったミミルは将平の店に居候することになり、京都とダンジョンを行き来する不思議な異世界交流生活が始まります。

将平とミミルの間でゆったりと流れる時間が読んでいてとても気持ちいい作品です。現実世界では将平がミミルに現代の科学や技術を教える一方で、ダンジョンではミミルが将平に魔法や攻略を指導し、そして将平が腕をふるった料理を2人で美味しく頂く。決して派手な展開ではないのですが、読んでいてぽかぽかと幸せな気持ちになります。

更に凄いのは精緻かつ美味しそうな料理の描写です。商用の料理器具についても詳しく描写されていることから、作者さんは間違いなく料理関係の方のはず。石窯で焼き上げるピザ自家製パスタにはじまり、時にはモンスター産の肉料理も登場するなど、将平の作り上げる様々な料理を見ているだけでも満足できます。

ダンジョン探索、料理にレストラン、そして将平とミミルの交流と、楽しみがいっぱい詰まった贅沢な作品、自分もイチ押しですので興味を持たれた方はぜひご一読を!

  • 投稿サイト:「小説家になろう」、「カクヨム」
  • 20年10月投稿開始、連載中
  • 21年2月時点にて約37万字、小説およそ3冊分のボリューム。

おすすめ度

126話時点(2021年2月)

★★★★★(星5つ、名作!)

★5つで満点。かぴばーの個人的好みに基づいたスコアです。

あらすじ

古都の町家を購入してバルにリノベーションした高辻将平は、内装工事を終えた日に奥庭に突如大穴が開き困惑した。なぜなら、大穴から一人のエルフ少女――ミミルが出てきたからだ。

言葉が通じない中、ミミルの魔法でなんとか意思疎通ができるようになり、将平は大穴が異世界を繋ぐダンジョンであること、地球に来てしまったミミルは異世界に戻ることができないことを知る。

そして、確認のためダンジョンへと連れられて入った将平は、ダンジョンに日常生活にないロマンや心躍る冒険心を刺激され、帰る場所がないミミルを保護し、共に暮らすという選択をするのだが……。

「小説家になろう」本作ページより引用

京都とダンジョンで心地よく流れる日常

将平とミミルの2人のゆったりとした異世界交流が読んでいて心地いい作品です。京都とダンジョンという2人のそれぞれのフィールドがあって、それぞれの持ち場でお互いに教え合うという支え合いの関係が読んでいて気持ちいいんですよね。

京都では現代科学の知識美味しい料理の数々を将平がミミルに教える一方で、ダンジョンでは魔法モンスターの倒し方をミミルが将平に伝授します。科学知識を活用して将平がスキルを発展させたり、ミミルが新魔法を編み出したり、また時にはダンジョンモンスターの肉で美味しい料理が出来上がったりと、お互いのフィールドが絡み合いながら発展していくのも眺めていて楽しいです。

転生物でありがちな「現代知識で一気に領土改革」みたいな一方的な展開が自分はあまり好みじゃなかったりします。現代科学は進んでいますが1人が持てる知識なんてたかが知れてますし、別文化が科学的に遅れているとしても文化に合った人間の知恵が生きていると思うんですよね。

本作はその点でとてもよくバランスを取られています。小説の序盤で「将平視点」、「ミミル視点」として、同じ出来事をそれぞれの視点で描き分けられていたのも、本作の雰囲気を表現するのに効果的だなと感じました。

現在はストーリー展開を優先されて将平視点のみで進んでいますが、個人的にはミミル視点のお話も大好きなので、展開が一段落したらまた読みたいです!

料理の描写は文字通り垂涎もの

ダンジョンに異世界文化交流だけでも面白いのに、料理に対する熱いこだわりも凄い作品です。そのレベルたるや、本作に登場する料理のレシピ集を付録としてカクヨムに投稿してしまうほど。

作者さんは間違いなくプロの料理関係のかたでしょう。レストラン用のピザ窯や厨房器具の設置方法など、その道の方でないと分からない描写もたくさん出てきて勉強になります。

そして何より美味しそうな料理の数々が魅力です!

材料選びに下準備から調理過程まで精緻に描き込まれており、完成した料理が彩りをもって目の前に浮かんできます。これをミミルが幸せそうに食べて、将平が嬉しそうに見ている絵がまたいいんです。やっぱり美味しい料理は万人を幸せにしますね。

うーん、ぜひとも絵や映像で見てみたい… コミカライズアニメ化を楽しみにまっています!

 

読んでいて幸せな気分になれる作品、かぴばーイチ押しです!

ダンジョン好きも、異世界料理好きも、日常まったり好きも、多くの方に刺さること間違いなしです。

  

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