『林檎転生 ~禁断の果実は今日もコロコロと無双する~』 リンゴと杖が主人公のほんわか冒険道中

リンゴ転生アイキャッチ
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ぎゅっと要約

  • リンゴに転生した主人公が世界樹の杖と無双する異世界ファンタジー
  • コメディー要素に抵抗なく、きちんと設計された俺TUEEEを愛する人におすすめ
  • 掲載中、小説2冊分

主人公がリンゴでヒロインが杖でもいいんですか?

ノベルアップ+」に連載中のガトーさんの作品。2020年5月の現時点で119話まで掲載されています。

異世界転生無双ものですが、主人公はなんとリンゴの実。ストーリーはリンゴの木から自分を切り落とすところから始まります。人外転生もたいがい出尽くしてきた感がありますが、リンゴとはかなり極まっています。

さらに物語の華たるヒロインは木の杖。どうみても安いコメディになりそうですが、それをきちんと物語にまとめ上げているのが作者さんのすごいところ。ほんわかコメディタッチで進みつつも、徐々に世界を支配する謎システムが見え始めてきて目が離せません。

119話まで文字数が40万字強、小説2冊分くらいの分量です。とても読みやすい文章なので、すらすら読み進められますよ。序盤はコメディ色が強いですが、60話くらいまで読み進めるとシリアスかつダークな要素が垣間見えてくるので、まずはここまで読んでみるのをオススメします。

主人公がリンゴでヒロインが杖でもいいんです!

オススメ度とおすすめしたい人

おすすめ度(119話終了時点)

★★★★★(名作!)

★5つで満点。かぴばーの個人的好みに基づいたスコアです。

おすすめしたい人

変わった異世界転生ものが読みたい人、コメディタッチの好きな人、魔法詠唱にゾクゾクくる人、メタ発言が好物な人、垣間見える不穏な雰囲気がたまらない人、グリダちゃんあざとかわいい

あらすじ

古津大輔はある日突然トラックに突っ込まれ、荷台に山積みとなっていたリンゴに押しつぶされて生涯を終える。今際の際に神に語られたことには、これは手違いであり、お詫びとして5枚の「運命のカード」とともに異世界へ転生してもらうとのこと。古津は「力」、「魔力」、「祝福」、「アイテムボックス」と順調にチート性能カードを引き当てるが、最期の1枚のカード「呪縛」の効果により自らの生命を奪ったものの姿で転生をすることとなった。

気が付くと自分はリンゴの実。「力」も「魔力」も「祝福」も使えず、アイテムボックスを開こうにも手がないから何も取り出せない始末である。事態を悲観する彼に呼びかける少女の声。アイテムボックスの中の「世界樹の枝の杖」であるクリダが語り掛けていたのだ。

植物であるリンゴとしての動き方、戦い方をグリダから教えてもらっているところに、異世界転生定番である「ゴブリンに追いかけられた人間の女性」がやってくる。さあ、古津あらためフルツの無双のはじまりだ!

主な登場人物

  • フルツ
    元人間のリンゴ。魔法が撃てるが、動きはコロコロできる程度なので移動時には誰かに運んでもらう。メタ発言が多く、アニメ化の際に「自分が齧られた絵」が怒られないかが心配の種。
  • グリダ
    アイテムボックスの中に入っていた別世界の世界樹の枝でできた杖。フルツを「おにいちゃん」と慕う。非常に強い力を秘めており、魔法の威力はフルツを軽く凌ぐ。舌足らずなしゃべり方だが、キャラ付けのためにわざとしている疑惑が。
  • フレッサ
    ゴブリンに追いかけられていたところを枝から落ちてきたフルツに助けられた駆け出し女性冒険者。当初はフルツの力を自分の「リンゴ魔法」と勘違いしていた。特技は、しゃべれないフルツの考えていることを当てること。

主人公はずっとリンゴのまま

この作品の特徴は何といっても主人公がリンゴであることです。そして何よりも素晴らしいのは、リンゴから人化や変形する様子が全く見られないことです(119話時点)。

スライムや蜘蛛などなど、過去に人外転生物の名作は多数ありますが、いずれもストーリー半ばで人間化していく場合が多いです。人化することで新しい視野からストーリーを描けるので、これはこれで良いとは思うのですが、デメリットとして初めに人外転生した理由が薄まってしまうことがあります。

本作の転生先はリンゴと、かなりギリギリを攻めているにも関わらず、リンゴのままで物語を膨らませ続けていられるのが魅力です。それにとどまらず、「世界樹」が重要キーワードとなっていることを考えると、知恵を意味して禁断の果実でもある「リンゴの実」に転生した自体が重要な意味合いをもっていそうです。

昨今の「とりあえず目新しいもの転生させておいて目を引こう」的な風潮に対する、よいアンチテーゼになって欲しいと願います。

コメディタッチの裏に潜むシリアスさ

お話は基本的にはコメディ、ほんわか系です。特にフルツを中心としたメタ発言(実際はしゃべってはいないけど)が個人的にはツボですね。勇者登場時の『異世界転生といえば、勇者と魔法は中華屋のラーメンとチャーハンみたいなもの!』や、敵の魔法を解析したときの『合計11個の悪意のあるオブジェクトを検出しました。修正しますか? Y/N』などなど、おなか一杯詰め込まれています。

一方で、引き締めるところではしっかりシリアスに変えられるのがこの作者さんの素晴らしいところです。遺跡内で作られた人間の村を見つけたときの気持ち悪さや、管理者や領主といった現時点では謎につつまれたダーク風味の漂う世界設定などなど、ただのコメディでは終わらないポテンシャルを秘めた作品だと思います。特に、人間に対して魔法を撃てないフルツに対してフレッサが言った、『それは”才能”か”経験”なんだよ、リンゴさん』には、本当にゾクっときました。検索しても引っかからないから作者さんのオリジナルのコメントですよね。本当に素晴らしい。

緩急がしっかりとついているので、展開に飽きることなく次々と読み進めることができちゃいます。

まだまだ強くなるフルツさんと世界の謎の解明に期待!

フルツ、グリダのコンビは元からとっても強いのですが、様々な制約のせいで戦闘では常に全力ブッパとはいかず、サブ主人公の面々も活躍するのも本作のよいところです。スキルの存在も明らかになり、まだまだ強くなるフルツさんご一行の活躍から目が離せません。この世界のシステムについて張られた多くの伏線をどう回収するのかもとても楽しみです。

「ノベルアップ+」で常にランキングの上位にいるのも納得の名作だと思います。ほぼ毎日、最新話が投稿されるのも素晴らしいですね。作者さんを心から応援しています!

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