『最弱勇者を育てるのが趣味の大魔法使い』ドS魔法使いの超絶スパルタ特訓で成り上がり(でこかく)

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感想とおすすめポイントまとめ

  • ドSな大魔法使いに目を付けられた最弱勇者が、超弩級なスパルタで成長しつつ個性的な仲間たちとともに成り上がっていく物語
  • 次々と勇者に降りかかる特訓メニューがドS過ぎて一周回って清々しい! 個性の迸る仲間たちとのストーリー展開にも注目
  • 頑張り系の成り上がりが好きな人、熱いバトル展開を読みたい人におすすめ。ドSにドM、縛ったり縛られたりと幅広い属性にも適合
  • 連載中。第88話終了時点でおよそ小説2冊分のボリューム

勇者に次々と襲い掛かる特訓という名の死亡遊戯

でこかくさんが「カクヨム」、「小説家になろう」にて連載中の作品です。正式タイトルは『最弱勇者を育てるのが趣味の大魔法使い ~ちょっとあなた、魔王を倒してみませんか?~』、2020年4月に掲載をスタートして、3ヶ月で約100エピソード、40万字弱に達する大作です。

タイトルを見た感触で「真面目でかわいい系の勇者が、お姉さん魔法使いに出会って特訓で強くなっていく成り上がり物語だろう」と思って読み進めたところ概ね正解でした。ただし、魔法使いは超ドSで特訓はデスゲームでしたが…

次々と強敵に突っ込まされて四肢を切られても身体がつぶれても魔法で回復されて続く強制特訓、さらには食事にこっそり混ぜられた高級お薬によるドーピング。周囲のドン引きと引き換えに最弱勇者は少しずつ成長していきます。

一般的ながんばり物語とは一線を画した、生命を賭けた強制努力の連続に引き込まれる一作です。しかも、単純にステップアップを続けていくのではなく、勇者と魔王を中心とした世界観、個性あふれる仲間たちのエピソードなど、ファンタジーとしても非常に読ませる濃厚な仕上がりとなっていることが特徴ですね。少しずつ強くなる勇者が繰り広げる熱い戦闘シーンもたまりません。

文章もとても読みやすく、小説2冊分相当のボリュームもスルスルと読み進めてしまうと思います。王道好きも変化球好きも、幅広い人に読んでもらいたい期待の作品です!

オススメ度とおすすめしたい人

おすすめ度(第88話時点)

★★★★★(星5つ、名作!)

★5つで満点。かぴばーの個人的好みに基づいたスコアです。

おすすめしたい人

一味違う頑張り物語を読んでみたい人、英雄譚にあこがれる最弱勇者の成り上がりを読みたい人、熱いバトル展開が好きの人、勇者と個性あふれる仲間たちとの群像劇を見たい人

あらすじ

数多の魔王が人を脅かす世界、魔王を倒したものは勇者の称号を得ることができる。

英雄譚にあこがれる主人公グレイは、ひょんなことから瀕死の魔王にとどめを刺して勇者となってしまう。名ばかりの最弱勇者であることを周囲から揶揄されて酒におぼれるグレイだったが、そんな彼の前に大魔法使いルルエが現れて、グレイを本物の勇者へと導くことを宣言するのであった。

ルルエに連れられて向かったのは200体のオークが迫りつつある村。怖気づくグレイであったが、ルルエに精神高揚の魔法をかけられ、オークから潰されようが腕を切り飛ばされようが治癒魔法で癒されて、ついには全てを倒し切ったのであった。

「獣人殺しの狂勇者」、これが勇者グレイの最初の英雄譚となった。ルルエの強制特訓を生き抜き、グレイは自らの憧れた理想の勇者へと至ることが果たしてできるのだろうか。

主な登場人物

  • グレイ
    本作の主人公。おこぼれで魔王を倒したことで、勇者の末席である「翠の勇者」の称号を得る。並みの勇者では正視することすら憚られるルルエのドS特訓を耐え抜き、少しずつ成り上がっていく。個性派あふれるパーティーの良心だが、本気で怒らせたときのキレっぷりは周囲がドン引きするほど。
  • ルルエ
    美人の大魔法使い。グレイの勇者としての在り方を見初めて大成させるために仲間となる。その無茶でドSな特訓には定評があり、過去にも数多の勇者を潰してきた実績がある。魔王との因縁も見え隠れするなかで、グレイに肩入れする本当の理由はどこにあるのだろうか。
  • クロ
    黒龍の幼体。故郷を追われて、傷つき逃げているところをグレイたちと鉢合わせる。討伐を勧めるルルエであったが、グレイが抵抗せずにクロの攻撃を受け続けたことで落ち着きを取り戻し、すっかりと懐いてしまった。グレイの成長にともなって幼女の姿に変身できるようになる。好物は羊。

勇者を支える個性ほとばしる仲間たち

本作を語る上で、勇者グレイと旅をともにするキャラクター性にあふれる仲間たちの存在は外せません。全員がしっかりとキャラが立っている上に背景もしっかりと作り込まれており、それぞれを主役にしても面白いストーリーが描けるのではないかと思うほど。ネタバレにならない程度に、物語序盤で語られる仲間を中心に簡単に紹介させてください。

まずは上の登場人物紹介でも書いたルルエ、常にグレイの脇を固めるサブ主人公の位置づけです。陰を感じさせる場面もありますが、グレイにデレる姿は可愛いらしく、ドS過ぎて一周回ってギャグ風にすらなる言動がチャームポイントです。戦闘中の例を挙げると、「グレイが敵に腕を切り飛ばされる」⇒「腕を拾って後退」⇒「ルルエが回復魔法でくっつける」⇒「ちゃんと連携出来てるねぇ!えらいえらい!」という具合ですね。ばしばし腕を切り飛ばされる前提からおかしいですが…

クロちゃんは黒龍の幼体で幼女に化けます。さらに舌足らずでグレイが大好きなあたりでもうすでに属性山盛りですが、本作では癒し枠。ただし、故郷を追われた過去を抱えており、ストーリー中盤はクロの物語がしっかりと描かれます。

もちろんこの2人だけに留まらず、金髪美少年で最年少で最高ランクの勇者に上り詰めた男の娘とか、縛るのが好きな人とか、縛られるのが好きな人とか、…とか。

もうキャラクター紹介だけで山盛りご飯が何杯もいけるほど、魅力的な仲間たちがあふれています。

それでもやっぱり勇者が格好いい!

個性あふれる仲間たちと比べると、主人公の勇者グレイは正統派です。冒険の旅に出た目的は「英雄譚にあこがれたから」ですし、特殊スキルがあるわけではなくて、ルルエのドS特訓や強敵との死闘を乗り越えることで着実に少しずつ成長していきます。

それでも読者を惹きつける不思議な色気がグレイにはあるんですよね。人間味があるところがいいのか、常にまっすぐ前を見ているのがいいのか、理由は自分もよく分からないんですが、とにかく格好いいのです。こちらはぜひ実際に読んで味わってみてもらいたいところですね。

本作の世界にはたくさんの勇者が存在しますが、グレイ以外の勇者は皆どこかズレています。最新ストーリーではグレイと勇者たちとの確執も描かれはじめ、今後の物語の展開からますます目が離せません。グレイの正統派勇者としての活躍に期待しています!

 

正統派がんばり物語でありつつも、しっかり作り込まれたオリジナリティー溢れる世界観が魅力の作品です。勇者グレイと個性あふれる仲間たちが織り成すストーリーをぜひ多くの人に読んでもらいたいです!

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