ぎゅっと要約
- 人語が話せて魔法も使える雪ネズミの活躍するファンタジー作品
- 愛らしいネズミと人間たちの織り成す優しい世界に癒されたい人におすすめ
- 掲載中、小説1冊分
属性の玉手箱が奏でるハーモニー
「ノベルアップ+」に掲載中の冬原パトラさんの作品です。
現在連載中で2020年5月の時点で46話まで公開済みです。ちょうど小説1冊分くらいの分量なので、空いた時間にもさくさく追いつくことができますよ。
主人公の雪ネズミが魔法使いの弟子になり、最強クラスの実力となった上に料理をしたり錬金術をしたり商店経営をしたりと、とにかく様々な属性が詰め込まれていますが、最終的にほのぼのベースでまとめられています。「そんなことが出来るわけがない」と興味を持った方はぜひご一読を。
オススメ度とおすすめしたい人
おすすめ度(46話終了時点)
★★★★(おすすめ!)
★5つで満点。かぴばーの個人的好みに基づいたスコアです。
おすすめしたい人
ほのぼのしたい人、空き時間にさくさく読み進めたい人、雪ネズミに癒されたい人、それでもWeb小説なら俺TUEEE要素が少しはあったほうが…な人、あふれ出る属性のバランスに興味のある人
あらすじ
ネズミとして暮らしていたスノウは、ある日チーズを盗み出すのに失敗して老魔法使いに捕まってしまう。覚悟を決めるスノウだが、老魔法使いから言葉を教えられ、自分がただのネズミではなく雪の女神の眷属であるスノーラットであることを知る。魔術に興味を持ったスノウは老魔法使いに弟子入りし、作業の手伝いをする代わりに魔法を教えてもらえることとなった。
そんなある日、王国の騎士たちが老魔術師を訪れる。老魔法使いはかつて世界を救った英雄であり、伯爵位を持つ貴族だったのだ。お家騒動への助力を依頼する騎士と、やりたいことがあると断り続ける老魔法使い。ところが、老魔法使いは突然病に倒れてしまい、最期のお願いとしてスノウが爵位を継いで王国の手助けをすることになる。伯爵ネズミの世界を揺るがす冒険譚がここにはじまったのだ。
主な登場人物
- スノウ
雪の女神の眷属であるスノーラットにして伯爵。魔力がとても高く、伝説の老魔法使いの魔法はほぼ継承済みで、「スターレイン」は本気を出せば一撃で都市を滅ぼすほどの威力。料理やお菓子作りが得意で、こちらも老魔法使い直伝のレシピをマスターしている。 - ルーチェ
王女様が飼っている雪ネズミの女の子。ヒロイン枠ネズミ。スノウから言葉と魔法を習う。頑張り屋。 - シャーロット
元魔術師団長。子爵令嬢。スノウのスターレインに一目ぼれして弟子入りする。魔法オタクにして美容オタク。秘書に料理もこなす優秀な人なのになぜか漏れ出る残念臭。
ここまで山盛りにしたのに「ほのぼの」できる素晴らしさ
記事の冒頭でもお伝えした通り、こちらの作品にはWeb小説の様々なお約束がこんもり盛られています。
主人公は最強で俺TUEEE、そして人外なのに伯爵でかわいいヒロイン持ち。魔法を教えてくれた老魔法使いは実は異世界人の上、残念メイドに料理に錬金術などなど、物語序盤を見ただけですでにてんこ盛り。物語が進むにつれてもさらに増える一方で、属性の玉手箱の様相を呈しています。
ここまで激しい盛りとなると普通は胸やけを起こしてしまうのですが、このお話は何故かほのぼのしつつ読み進めることができるのが素晴らしい。これは主人公のスノウ君のキャラが一役買っているのだと感じました。
神獣のネズミを主人公とすることで成立した奇跡のバランス
ネズミが主人公の有名なアニメといえば『トムとジェリー』でしょう。ネズミのジェリーの茶目っ気のある仕草や、トムに頭脳プレーで反撃する様子を多くの人が思い浮かべると思います。自分の年代だと、同じくネズミが主人公の子供向けアニメ『ガンバの冒険』も小さいころによく見ていました。こちらも主人公のガンバが勇気と賢さで困難に立ち向かっていくストーリーです。
きっと自分たちが物語の世界のネズミに持っているイメージはとても良いものなのでしょう。小さいけれども賢くって頑張り屋で、しかもかわいい。
スノウ君はこのイメージを投影されているので、多少最強でお約束が多かったとしても、ほのぼの眺めることができるのだと思います。だって、老魔法使いの肩に白ネズミが乗っている様子なんて、すごくいい絵になるじゃないですか。これが他の動物だと、強さかコミカルさが表にでてしまうように感じます。
雪ネズミを主人公に据えた作者さんの慧眼は本当に素晴らしいです。
スノウの向かう先は
王国でしっかりとした立場を得たスノウ。物語の舞台はこれから外の世界へと移っていきそうです。他の王国やエルフの国なども登場して、今後のスノウの活躍が楽しみですね。
これからも引き続きほのぼのとさせて下さい。作者さんの更新を心待ちにしています!